

1980年ごろからの急速な経済発展を背景に、中国のクラシック音楽界は爆発的な躍進を続けている。この東アジアの大国からは、長い歴史を持つヨーロッパの音楽家にも決して引けを取らない才気あふれる作曲家や、何人ものスターピアニストをはじめとする俊英ソリストたち、名指揮者、優れたオーケストラが次々と出現し、世界的にも大きな注目を集めている。一方、孔子が音楽を愛していたことも知られているこの国では、はるか紀元前の時代から非常に多様で豊かな伝統音楽の世界が形成されてきた。現代中国の作曲家たちはこれらのルーツミュージックのエッセンスをクラシック音楽のテクスチャの中に溶け込ませ、さらにはより先進的で実験的なスタイルと融合させることで、母国の先達へのリスペクトと未来への視点を併せ持つ、独創的な芸術音楽を生み出している。