

フランスにおいてクラシック音楽の萌芽が見られたのは、遅くとも9世紀だったと考えられている。そこから綿々と続いてきた途方もなく長い歴史の中で、フランスでは宗教音楽から世俗音楽、声楽曲から器楽曲まで、ありとあらゆるカテゴリーの音楽が大輪の花を咲かせてきた。そして、中世には複雑なリズム技法や革新的な記譜法に象徴されるアルス・ノヴァと呼ばれる音楽様式を生み出し、20世紀の初頭には印象主義に基づく新たな表現と作曲技法を展開。さらに同世紀の中盤以降には巨匠ピエール・ブーレーズを中心に前衛的かつ高度に知性的なシーンを創出するなど、フランスの作曲家たちはそれぞれの時代において、クラシック音楽の革新と発展の先陣を切ってきたのだ。このプレイリストでは、そんな重要拠点であり続けるフランスが生んだクラシック音楽の世界に触れることができる。