蒸気機関車が発明されてから200年以上が過ぎた。この間に鉄道はすっかり私たちの暮らしに欠かせないものとなり、ごく当たり前の存在として日常の風景の中に溶け込んでいる。しかし一方で、鉄道を単なる交通手段としてではなく、憧れの対象として捉えている人たちもいるのだ。車両の美しいデザイン、風を切って走る姿、走行時に発する音、乗車中に感じる疾走感や絶妙な揺れ、はたまた次々と移り変わっていく車窓の風景といった独特の世界に、深く魅了される人は多い。作曲家もしかりだ。蒸気機関車がまだ目新しかった時代の作曲家であればなおさらだろう。このプレイリストには鉄道の黎明期から現代まで、作曲家たちが鉄道のさまざまな側面にインスパイアされて書いた名曲をたっぷり聴くことができる。