ミシガン出身のシンガーソングライター、Sufjan Stevens。彼の奏でる音楽の中には、フォークから1960年代／1970年代のロックやプログレ、また1980年代のニューウェーブやポップソング、そしてクラシックやゴスペルなど、さまざまなエッセンスが息づいている。弦楽器や管楽器を導入したオーケストラアレンジから、ギターと歌というシンプルなスタイルまで、そのアレンジメントは自由自在で、アルバムごとにユニークなコンセプトを持って作られている。その多彩なジャンルを縫い合わせるのは、Stevensの虚しく囁く歌声と卓越したソングライティング。色鮮やかな音を生み出すその才能は、繊細なポップマエストロというよりも、生き生きとした物語を見せる舞台や映画の監督のようでもある。