不世出のジャズシンガー、Billie Holiday。少女時代を養護施設などで過ごした後、1920年代後半からニューヨークのハーレムで歌手としての活動をスタート。1930年代、プロデューサーのジョン・ハモンドにその才能を見い出された彼女は、ベニー・グッドマン、カウント・ベイシーの楽団と共演。人生の悲哀を感じさせる豊かなヴォーカルによって大きな注目を集め、ニューヨークの人気クラブ、カフェ・ソサエティの専属歌手として活躍する。その才能がさらに高く評価されることになったのが "Strange Fruit"（1939年）。黒人差別をテーマしたこの曲は、ジャズ史に深く刻まれる名曲だ。