

前衛音楽から管弦楽、室内楽、カンタータ、オラトリオ、バレエ音楽、オペラ、そしておびただしい数の映画音楽まで、幅広いジャンルに多くの作品を遺した作曲家。1929年に横浜市で生まれた黛敏郎は、当時の東京音楽学校(現在の東京藝術大学)で伊福部昭や橋本國彦に作曲を師事し、在学当時から作曲家としての活動を始める。その後、パリ国立高等音楽院に入学するが、程なくして帰国し、前衛音楽の手法を取り入れた作品などで注目を集めた。以降は、きらめくようなサウンドと深遠さを兼ね備えた音世界を持つ管弦楽を中心に多くの名曲を世に送り出していった。日本の伝統音楽のエッセンスや仏教の教えを取り込んだ楽曲も、黛の音楽を語る上で欠かせないものとなっている。一方、昭和の日本を代表する名監督たちによる映画作品のための音楽も無数に作曲。また、テレビのスポーツ番組やオリンピックのセレモニーのために書いた曲も広く親しまれた。このプレイリストでは、そんな黛の多彩な音世界が堪能できる。