

忘れらんねえよは、感情をさらけ出すように叫ぶ柴田隆浩のヴォーカルが強い支持を得ているパンクロックバンドだ。歌われていることの多くは、報われない恋心や自分の理想が成就しない悔しさであり、そうした日常の中での迷い、葛藤、ためらいといった感情である。その生々しい歌のありようは、かつての日本のフォークソングに通じるところもある。音楽的には2000年頃の日本で一般化した青春パンクをベースにしており、そこにグランジやメロコア以降のシンプルでラウドなサウンドを融合させることで独自の世界を築いている。赤裸々さの爆発という点では他の追随を許さない、あまりに人間くさい彼らのパンクサウンドに触れてみてほしい。