

シンガーソングライター界のトップを走り続ける中島みゆき。デビューは1975年で、この年のうちに彼女は後年に名曲と称されることとなる「時代」を発表している。初期は恋愛にまつわる歌を多く書き、工藤静香や研ナオコといったシンガーへの楽曲提供でも存在感を発揮。内に渦巻く情念を叫ぶような楽曲の世界は、あらゆることがスマートに収束しがちな世間の流れにあらがうかのようだった。1980年代以降はビッグアーティストとして認知されていく中で、演劇とコンサートを融合した舞台表現“夜会”のシリーズを始めたり、1994年にはドラマ主題歌として書き下ろした「空と君のあいだに」が大ヒットしたりと、新たな表現に挑む姿勢を継続。こうして中島が残してきた歌の数々は多くの歌手にカバーされたり、何かのCMで流れたりと、あらゆる形で時代を超え、人々の心に寄り添い続けている。間違いなく、日本のポピュラーミュージック史に残るアーティストだ。