

20世紀末香港の栄華を象徴する不世出のスーパースター、レスリー・チャン。ハーモニカの調べで始まるドラマチックな "當年情" や、主演映画の主題歌をのちに自らカバーした "當愛已成往事" など、彼の出演映画にまつわる楽曲の数々は、いずれも日本人にとってなじみ深いといえるだろう。また、歌手としてのブレイクスルーを遂げた "風繼續吹" も、山口百恵 "さよならの向う側" の広東語カバーである。ややハスキーな声を生かしながらロック色の強いポップス、スタンダードな唱法に根差したバラード、独自の耽美な作品など、多様な音楽世界を展開。その作品は広く愛され、聴き継がれてきた。