

思わず口ずさみたくなるほど親しみやすいメロディと古典派の流儀を受け継いだ優雅で明快な曲調は、時代を超えて多くの人に受け入れられる可能性を持っている。Louise Farrencは1804年にパリの著名な美術家の家庭に生まれた。幼い頃からピアノの訓練を受け、パリ国立高等音楽院で作曲を学んでいる。女性作曲家が正当な評価を受けにくい時代にあって、彼女の活動を熱心にサポートした夫の尽力もあり、Farrencの作品は国外にまで広まったが、19世紀の後半になるとパリに新たな音楽の波が起こる中、彼女の楽曲は次第に忘れられていった。このプレイリストでは、ソロピアノのための作品から、多様なスタイルの室内楽、交響曲まで、ピュアで気品にあふれたLouise Farrencの知られざる佳曲を再発見することができる。