

ドイツ生まれのヨハン・セバスティアン・バッハは、65年の生涯に、1000曲以上とも言われる膨大な作品を残している。創作の分野も実に幅広く、「G線上のアリア」「トッカータとフーガ」などの有名曲は誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。彼の最大の功績は、西ヨーロッパのバロック音楽を集大成し、それをさらに高次元へ昇華させたこと。だが、生前の彼はオルガン奏者としての評価の方が高く、作曲家としても国際的に活躍していた息子たちの父親として扱われることが多かった。正当な評価を得たのは、死後1世紀近くたった頃に 「マタイ受難曲」が再演されて以降。以来、音楽の父としての評価を徐々に確立し、今日に至る。