

並外れたテクニック、楽曲の本質を見抜く洞察力、そして楽曲のディテールに潜む魅力を一つ一つ抽出する繊細な表現力。1990年生まれのフランスのピアニストTanguy de Williencourtは、パリ国立高等音楽院で学び、10代の終盤から20代の半ばにかけて、いくつものコンクールで数々の賞に輝いた。その後は数々の著名なオーケストラとの共演や、日本のラ・フォル・ジュルネも含む多くの音楽祭への出演などで、国際的に活躍している。録音もコンスタントに行っており、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスなどの演奏で高い評価を得る一方、2021年の『A Concert at the time of Proust』では1907年に文豪マルセル・プルーストが催したディナーコンサートでの演目を再現し、また2022年の『César Franck: Djinns, Variations symphoniques, triptyques pour piano』ではセザール・フランクの知られざるピアノ曲に光を当てるなど、ユニークなコンセプトによるアルバム制作でもリスナーに新鮮な感動を届けている。