

日本のお笑い界に燦然(さんぜん)とその名を輝かせる、ドリフことザ・ドリフターズ。もともと正統派のバンドとして出発し、数々のメンバーチェンジのあった初期時代を経て、ドリフターズはコミックバンドとして活躍するようになる。5人のメンバー=いかりや長介、加藤茶、高木ブー、仲本工事、荒井注は、それぞれミュージシャンとしてのバックボーンを持っていた。1966年のビートルズの来日公演で前座を務めたこともよく知られているように、ドリフが生み出してきたヒットナンバーの数々は今も、単なる懐かしさを超えたビビッドな魅力にあふれている。1974年にバンドに新加入し、「東村山音頭」のリメイクで大ブレイクを果たした志村けんは、ブラックミュージックを中心とした熱心な音楽愛好家で、ヒゲダンスでおなじみ「ヒゲのテーマ」や「ドリフのバイのバイのバイ」といった曲でも、その巧みなセンスを発揮している。