

サカリ・オラモはフィンランド出身の指揮者。もともとはバイオリン奏者で、オーケストラでコンサートマスターを務めていた。代役で指揮を執ったことをきっかけに指揮者として活動するようになったという、ユニークな経歴の持ち主だ。団員としての経験からか、各パートに光を当てたような緻密なアンサンブルが得意。軽快なテンポで音楽を前へ前へと進めていく躍動感にあふれながら、聴かせどころのツボは外さないなど、メリハリのある演奏が特徴だ。プレイリストにはシベリウスの交響曲をはじめ、協奏曲、管弦楽曲の名作が並ぶ。中でも同郷である現代の作曲家、カイヤ・サーリアホによるクラリネット協奏曲 "D'om le vrai sens" は、音楽への思いに満ちた名演である。