

カール・リヒターはバッハに魅了され、その感動を理想的な形で伝えるために人生をささげた。指揮者、オルガン奏者、チェンバロ奏者として活躍した彼は、1926年にザクセンで生まれ、少年時代にドレスデン十字架聖歌隊のメンバーとなり、ライプツィヒ音楽院で学び、教会のオルガニストとなる。1950年代に入るとミュンヘン・バッハ合唱団とミュンヘン・バッハ管弦楽団を相次いで創立し、指揮者および鍵盤楽器奏者として、自身の思い描く究極的なバッハの演奏を探求していった。録音にも積極的で、バッハをメインに膨大な数のアルバムを制作した。このプレイリストでもバッハのカンタータ、ミサ曲、受難曲、オラトリオ、ヘンデルの『メサイア』などの楽曲を、高揚感と情熱にあふれた演奏で堪能することができる。