

エイトル・ヴィラ=ロボスは、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロに生まれ、チェロやギターに親しみ、独学で作曲を習得。20代の頃はアマゾンの奥地も含む国内全土を旅し、各地の民族音楽を採集する。その後、作曲家として本格的に活動を始めると、フランスやアメリカを訪れて著名な音楽家と交流を深め、ブラジル独自の音楽を追求した。そんな彼の最も有名な作品と言えるのが、編成の異なる九つの楽曲で構成される "ブラジル風バッハ"。中でも、1938年に書かれ、1945年に改訂された第5番は、9曲中で最も演奏される機会が多い人気作になっている。