演歌界のトップランナーとして君臨しながら、常に挑戦を続けてきた五木ひろし。その歩みは、「よこはま・たそがれ」（1971年）でブレイクするまで改名と再デビューを重ねた最初期から始まっていたといえるかもしれない。その後は、例えば「待っている女」（1972年）はポップス演歌、「ふるさと」（1973年）は叙情演歌、「千曲川」（1975年）は旅情演歌と称されたように、演歌そのものの新境地を次々と開拓していった。新曲をコンスタントにリリースする一方で、歌謡曲やJ-Popのカバーにも積極的であり、その果敢なチャレンジ精神は大ベテランの域に入っても健在である。