K-Popの人気グループEXOによる記録的な成功によって証明されたこと、それは、今もなお世界中の若者たちは清潔感あふれるダンスポップが大好きだということと、そのためには彼らは言葉の壁など気にしないということだろう。EXOは2012年、業界大手のSM ENTERTAINMENTによりソウルで結成された。当初は数ある才能豊かなグループの一つに過ぎないように思われたが、商業的にもアーティストとしても他とは一線を画していることを早くから示していた。メンバーは韓国語圏のオーディエンスに向けてパフォーマンスするEXO-Kと、中国標準語圏のオーディエンスに向けてパフォーマンスするEXO-Mという2つの異なるグループに分けられ、文化的かつ地理的な影響力を倍増することに成功した。また、Dwayne Abernathy Jr.やTimothy “Bos” Bullockなど、韓国だけでなくアメリカの音楽シーンでも活躍する気鋭のプロデューサーやソングライターを起用。その結果、ポップミュージックのオーディエンスを獲得しながらも、ヒップホップやR&B、トラップやEDMのサウンド、そして時にはバラードをも取り入れた、爽快で躍動感のある多彩な楽曲の数々が誕生した。2013年リリースのデビュー作『XOXO』には、ジリジリとしたエッジの効いた「Wolf」のような楽曲が収録され、韓国で誰もが切望していたミリオンセールスの壁を突破した。不気味な「Monster」やレゲエ風の「Ko Ko Bop」のような複雑でファンキーな曲は、マイケル・ジャクソンのロマンティックな立ち振る舞いや、ジャスティン・ティンバーレイクの俊敏なダンスを想起させるが、EXOの場合、そこにはよりダークな雰囲気の魅力が漂う。冒険心あふれるサウンドと、火と水を利用した演出などあらゆる要素を駆使したステージとともに、彼らは群雄割拠のK-Popシーンにおいて圧倒的な存在感を放ち続けている。