“歌怪獣”の異名を持つほどの歌唱力を誇る島津亜矢。声の張りと強さ、繊細な節回しまで含め、彼女は確かに破格の歌い手である。もっともNHK紅白歌合戦の初出場は1986年のデビューから15年後だったという下積み時代もあり、歌に込める感情にはそんな経験を乗り越えた意志の強さも反映されているのかもしれない。「愛染かつらをもう一度」（1991年）、「帰らんちゃよか」（2004年）などのヒット曲がある一方、カバーアルバム『SINGER』シリーズ（2010年～）では歌謡曲やJ-Pop、洋楽ポップスも歌いこなしており、歌番組の歌唱力を競う企画に登場することもしばしば。島津の怪獣クラスの歌声は万人の心を飲み込むほどなのである。