VUOY

VUOY

ボアダムスのギタリストである山本精一のソロ・ユニットとしてスタートし、その後ベーシスト津山篤を中心とする不定形ユニットとして活動している想い出波止場。1997年にトラットリア・レーベルよりリリースされた6thアルバム「VUOY」は、常に刺激的な実験音楽を志向してきた彼らの音楽性がポップへと振り切れた、バンドの代表作的アルバムだ。クールなブレイクビーツが印象的な “MIRAGE”、シングル曲にもなったトリップホップ・ナンバー “SUGAR CLIP”、狂騒的なテクノ・トラック “VUOY” など、1997年のジャンクな空気感を漂わせながらも、今なおハッとするほど新鮮なサウンドが楽しめる。想い出波止場らしい、細かく作り込んだスタジオ・ワークをみせる一方で、ボーカルやバイオリン、生ドラムやパーカッションなどの生演奏を主体としたサウンドが、アルバムの風通しの良さを演出している。前衛気質と独自のポップ感覚とがスリリングに融合し、未曾有の楽しさに到達した作品だ。