

わずか13歳で本作をレコーディングした中国系オーストラリア人の新星バイオリニスト、クリスチャン・リは、すでにいくつものメジャーなコンクールを制覇している。2018年、当時10歳の彼はユーディ・メニューイン国際コンクールでヴィヴァルディの『四季』から『夏』を演奏し、史上最年少でジュニア部門の第1位を獲得した。ここでの彼はタイトで素晴らしい技術に裏付けされたフレッシュな演奏を披露しており、ヴィヴァルディの協奏曲が持つ時代を超越した創造性までも見事に表現している。さらに、音楽の背景にある詩的な要素を明確に読み取りながら、イマジネーション豊かな演奏も披露。もちろん、他の作曲家の作品でもクリスチャン・リならではのスタイルと鮮やかなテクニックを楽しむことができる。例えば、高貴で華やかな雰囲気の演奏が求められるフリッツ・クリスラーの「Tambourin Chinois(中国の太鼓)」やアントニオ・バッジーニの「La ronde des Lutins(妖精の踊り)」でのパフォーマンスは見事の一言に尽きる。