2020年にYuqi Katoのソロプロジェクトとして再始動したUQiYO。前作『loom』ではアジアのアーティストたちと壮大なサウンドを紡いだが、それから約半年という短い期間で届いた本作は親密で温かな空気が感じられる作品となった。“桃源郷”ならぬ『東源京』というタイトルの下、現代の日本におけるフォークロアを体現した7曲を収録。穏やかな中にも力強い生命力を感じさせる楽曲が並び、自然の風物を写し取ったリリックにもUQiYOの美学が貫かれている。国内外問わず多数のアーティストがカバーした昭和の名曲「蘇州夜曲」は、アコースティックギターのアルペジオ奏法を効果的に使って趣深い風合いを醸し出す。鳥のさえずりが響き渡る「西へ沈ム」は重力から解放され、空をたゆたうような心地よさが味わえる。イマジネーション豊かなサウンドスケープで、心を壮麗な景色の中へと連れ出す音の絵巻。