artless

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「無理せず、4人でできる音作りを基本として考えたアルバムですね」。実際に執筆した脚本を基に、架空の映画のサウンドトラックとして作り上げた前作『EYES』から2年。WONKのボーカリストである長塚健斗が、バンドが原点に立ち返ったアルバム『artless』についてApple Musicにそう語る。「バンド結成当初はスタジオに集まって『こんな感じよくない?』って音を出し、そこにメロディを乗せ、歌詞を乗せる、バンドらしい曲作りもやっていたんです。その後、作品スタイルが変化して、ライブのことを度外視して徹底して作り込んだ『EYES』もありましたし、コロナ禍だったこともあって、リモートで制作するようになっていったこともあり、今回はみんなで合宿して、顔合わせて話し合いながらじっくり作品作ろうよってなりました」これまで、コンセプチュアルな音楽制作を極めながら、ソウルやファンク、ヒップホップ、R&Bにインスパイアされた現代的なジャズと、多彩なエレクトロニックミュージックを緻密に編み上げてきたWONK。その構築的な作風から一転、リードトラックの「Migratory Bird」に象徴されるように、シンプルなバンドアンサンブルから紡がれる本作のフォーキーなソウルミュージックは日常の彼らそのもの。初の日本語詞曲「Umbrella」においても、これまで培ってきた世界観を生かしたまま、バンドの自然体と、そこに宿る人肌の温もりをありのままに伝えている。長塚は言う。「そのレコーディング合宿の最中、(江﨑)文武が弾くピアノに乗せて、その場で歌って採用されたメロディが僕の中で日本語が入っているイメージで。そして、いざ歌詞を書き始めたら、そのまま日本語詞になったんです。自分たちは英語詞に縛られているわけではないんだなと改めて気付きました」そして、原点回帰を図りつつ、その眼差しを未来に目を向けるWONKは、本作をドルビーアトモスによる空間オーディオで届けてくれた。ベーシストの井上幹がミックスを手掛けた立体的な音響空間は、その作品世界に新たな深みをもたらしている。「世界的に見ても空間オーディオにマッチするようなミックスの作品はまだまだ数は多くないですよね。そんな中、このアルバムの空間オーディオは、バンドでの活動と並行して、身を置いているゲーム業界で立体音響に取り組んでいる(井上)幹の技術が存分に発揮されていると思います」現在から未来へと広がっていくアルバムの響き。ぜひとも空間オーディオで体感してほしい。

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