The American Project

The American Project

ユジャ・ワンと作曲家のTeddy Abramsは、2005年にフィラデルフィアのカーティス音楽院で学生同士として出会った。それ以来、長い年月をかけて築き上げてきた2人のパーソナルなつながりが、『The American Project』のインスピレーションとなったのだ。ワンは本作について、Apple Musicにこう語る。「友情と、人生において同じビジョンを共有できる人たち、そして、この世界において何が魅力的なものなのかを私たちに教えてくれる人たち。これが本当に大切なことなのです」このアルバムのメインはAbramsによる協奏曲だが、幕開けを飾るのは同じくアメリカの作曲家/指揮者であるマイケル・ティルソン・トーマスによるアンコールピース風の小品「You Come Here Often?」だ。「これは彼が20歳になる前に着手したもので、その後私のために完成させてくれた曲です」とワンは語る。2016年に初演したこの楽曲について彼女はこう感じている。「未知なるものが持つ高揚感、不真面目なものが有する可能性の未踏の領域」だと。ワンは2022年の1月に、Teddy Abramsのピアノ協奏曲を作曲者自身が指揮するLouisville Orchestraと共に初演した。ワンは言う。「それ以前にも指揮者としてのTeddyと共演したことがあるのですが、その時も私は、Teddyの音楽の解釈からも、あるいは時事問題についての語り口からも、彼の中にある止めどない創造的エネルギーを常に感じていました」もともとジョージ・ガーシュウィンのピアノとオーケストラのための作品「ラプソディ・イン・ブルー」と一緒にコンサートで演奏するために構想されたAbramsの協奏曲は、この先達の歴史的名曲と同様に、ビッグバンドからの影響や、まごうことなきジャズの抑揚を身にまとっている。「大げさと言ってもいいくらい、高揚感とポジティブさにあふれた雰囲気で書かれた曲です」とワンは指摘する。「しかしその一方では、クラシカルな協奏曲の構造や、ロシアのおなじみのコンチェルトに見られるようなカデンツァ、そしてガーシュウィンを思わせるエンディングも含んでいます」Abramsの協奏曲の各楽章はそれぞれに異なるスタイルの音楽からインスピレーションを受けている、とワンは続ける。「ピアノは主人公の役割を果たしていて、アメリカ音楽の歴史を旅するタイムマシンのようでもあるのです」と彼女は説明する。「モチーフの相互関係を掘り下げるのも楽しいですし、ボリュームを上げてただただ時間旅行を楽しむのもおすすめです!」

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