The Age of Pleasure

The Age of Pleasure

「いいえ、私は以前と同じじゃない(No, I'm not the same)/私は変わったの(I think I done changed)」とシンガーソングライターのジャネール・モネイは4作目のアルバム『The Age of Pleasure』のオープニングトラック「Float」で堂々とラップする。Seun KutiとEgypt 80'が提供する強力なブラスと重厚なTR-808のサウンドに乗せて、彼女は今を受け入れる自分自身の新たな一面をリスナーに紹介する。「『Float』のあのようなリリックについては、今すぐ出さなきゃ、と思った」と彼女はApple Musicに語る。「それはまさに、自分の気持ちと今の私をどのように尊重するか、ということ。私は未来ではなく、今について考えている。私たちには今しかないのだから」 モネイのこれまでの作品はキャラクター主導だった。アンドロイド満載の複雑で未来的な世界を舞台に、権力、人種、人類といったテーマを探求していた。だが、『The Age of Pleasure』は、そのアフロフューチャリストとしてのペルソナを捨て、彼女自身の官能性と、何よりも気持ちよさを感じることを覆い隠すことなく探求し、新しい解放の時代を強調している。モネイはアルバムの 14 曲の中に、人々がリラックスして、自分自身のクィアなアイデンティティやセクシュアリティ、悪びれずアフリカ系アメリカ人コミュニティらしさを表現できる安全な空間を作り出したのだ。「Everyday People Wondalandパーティーを開いた時、『この人たちのために音楽を作りたい』と思った」と彼女は語る。「まさにこの瞬間、このライフスタイルのためのサウンドトラックを作りたい、と思ったの。彼らは理解してくれる。これは私たちが戦ってでも守るべきもの。私のすべての作品は、自分が属しているコミュニティを守ることを主軸にしている。LGBTQIA+コミュニティや、アフリカ系アメリカ人であること、そういったすべてをね」 『The Age of Pleasure』は、パン・アフリカ主義のディアスポラへのラブレターだ。モネイは過去のアルバムで使ったニューウェーブインディーズのエレクトロニックビートを、ジャズ、ダンスホール、レゲエ、トラップ、アフロビーツを巧みに融合したビートに置き換えた。前半はジャズとファンクにインスパイアされ、緻密にプロデュースされたテンポとリズムをフィーチャーしており、「Champagne Shit」では彼女自身の功績を見せつけ、「Float」「Phenomenal」「Haute」では誇らしげに自分自身をたたえる。そしてアルバムの後半は、レゲエの影響を受けたミッドテンポのサウンドにギアチェンジし、そこではモネイは肉欲に溺れる。「首筋に口紅をつけられたい(I like lipstick on my neck)/次に何が来るかわかるように、腰に手を回してほしい(Hands around my waist so you know what's coming next)/あなたの唇を私の唇の上に感じたい(I wanna feel your lips on mine/ただ感じたい(I just wanna feel)/舌を少し、私たちにあまり時間はない(A little tongue, we don't have a long time)」と「Lipstick Lover」で歌う。それはクィアなアフリカ系アメリカ人の性的解放を楽しく祝う魅惑的で夏らしいグルーヴの曲だ。そして「The Rush」「Water Slide」では、水のメタファーを使って自身の陶酔的な快楽の追求を強調し、「Only Have Eyes 42」は、複数の恋人がモネイの愛情の中心にいることを描くポリアモリーへの賛歌となっている。 結局のところ、モネイは『The Age of Pleasure』で、彼女の思う「自由な精神」を利用し、今の自分がいる空間を尊重し、臆することなく、そして自分自身を誇りに思えるアルバムを完成した。「私の友人たちは、他の誰も見ることのできない私の別の一面を見る機会があった。でもこのアルバムや、私が過ごしているこの瞬間においても、私はそんな友人たちがいつも見てきたジャネールの姿を見せることを自分に許しているの」と彼女は語る。「私は自分のすべてを所有したいし、自分のすべてになりたい」

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