米国アトランタ出身で1975年生まれのANDRÉ 3000とビッグ・ボーイの2人が結成したアウトキャストが共にまだ10代だった1994年に、L.A. Reidとベイビーフェイスが主宰するLaFaceレコーズ初のヒップホップアーティストとして発表したデビューアルバム。プロデュースは同郷の大御所プロダクションチームのOrganized Noizeが務めている。サザンソウル／ファンクをベースにした生演奏とサンプリングなど、ヒップホップならではの制作手法を巧妙に組み合わせたサウンドプロダクションで生み出された粘っこいグルーヴ。またアメリカ南部の生活に根ざしたリアリティを10代の視点で生き生きと描いたリリックに、2人のラップの絶妙なコンビネーションなど、彼らのユニークな魅力の原型は既に形作られている。全米トップ20ヒットを記録した本作は、東海岸とも西海岸とも違う南部のシーンの熱さと魅力を広く印象付けた。