SHINBANGUMI

SHINBANGUMI

「EP『City Slicker』と『Nisemono』は、自分の研究したい音探しが作品テーマでしたが、今回は自信がないなりに自分自身であることに専念して、100%のGinger Rootを提示するというテーマで制作しました」。南カリフォルニア出身のマルチインストゥルメンタリスト、キャメロン・ルーはソロプロジェクトのGinger Rootによる4年ぶり3作目のフルアルバム『SHINBANGUMI』について、Apple Musicに語る。プロデューサー/ソングライター/映像作家としても活動するキャメロン・ルーが、日本のカルチャーにインスピレーションを得て制作したという本作。懐かしくも新しい、ポップでファンキーなコンセプトアルバムに仕上がっている。 チルウェーブやミニマルファンク、ビートルズに象徴されるポップミュージックのミクスチャーを土台に、2021年のEP『City Slicker』では1980年代のシティポップと共鳴。続く2022年のEP『Nisemono』では、日本のレトロなドラマやアニメ、アイドルポップに触発されたコンセプチュアルな世界を、サウンドとビジュアルで表現した。Ginger Rootは本作で、『Nisemono』の続編に当たるストーリーをさらに拡大させている。「今の時代、シングルやEPが好まれる機運があって、多くのアーティストがそうしたフォーマットを試している中、僕もこの2年の間にEP2作を出しました。でも、好きなお菓子を食べるように、一番好きな曲ばかり繰り返し聴いていたら、ちゃんとした食事もそろそろ欲しくなるんじゃないかなって。だから、ビートルズの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』のような、ストーリー性のあるコンセプチュアルなアルバムの方がいいと思った。そして、自分が紹介したいストーリー、アルバムの内容を100%決めて、100%頑張ったら、自分の音楽愛を証明できる作品になるんじゃないかと考えました」 フィルターハウスのようにローファイファンクがフルレンジのハイファイサウンドに転じる「Better Than Monday」や、歌謡曲とポール・マッカートニーのメロディを融合させたような「There Was A Time」。ティン・パン・アレー時代の細野晴臣へオマージュをささげた日本語曲の「Kaze」や日本のAMラジオを思わせるモノラルなスキット「CM」など、アルバムに収録された全12曲は豊かなアイデアの引き出しから解き放たれたGinger Rootらしい色彩とグルーヴに満ちている。多彩な肩書を持ち、とどまることのない好奇心と共に音楽制作にチャレンジしていくキャメロン・ルーは、すでに次作にも思いを寄せている。「曲と映像、ストーリーだったり、アルバムのすべてのバランスを取ることはすごく難しい。今回は余裕があって、ジャズのアドリブっぽいやり方で一歩ずついろんなことを試しました。次は映画のような脚本の下、曲やコンセプト、キャラクターをあらかじめ決めて、一気に作ってみたいです」

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