BUCK-TICKの音楽を語る上で欠かせないダークな香りがにじみ出し、ゴスやニューウェーブ色を強めた次作『TABOO』へと続く兆しがうかがえる、通算3作目の『SEVENTH HEAVEN』。ワルツのビートに乗せた、はかなくファンタスティックなオープニング「FRAGILE ARTICLE」から、きらめく瞬間とそれが反転していくヒリヒリとした時を疾走感のあるビートで描いた「...IN HEAVEN...」でアルバムは幕開ける。どこか異国情緒漂う不思議な音の旅をする「CAPSULE TEARS - PLASTIC SYNDROME III -」や「CASTLE IN THE AIR」、奇天烈なポップさがさく裂した「PHYSICAL NEUROSE」など、アレンジや音使いの妙味が耳を引く曲が並ぶ。中でも、ループ感のあるギターリフと無機質なビートによるニューウェーブサウンドに、桜井敦司(Vo)の憂いある歌声やメロウなピアノのフレーズが重なり、溶け合って退廃的なムードを呼ぶ「VICTIMS OF LOVE」は、匂い立つような耽美な輝きを放っている。オープニングの「FRAGILE ARTICLE」とラストの「SEVENTH HEAVEN」はアレンジ違いの双子のような作りの曲になっており、この幅広い内容の曲たちを夢見心地に包んでいる。
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