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1990年代末ごろからクラブ・シーンで精力的に活躍し、2000年ごろからはクラブ・シーンという枠にとらわれず、メインストリームのポップ・ミュージックからピアノ・ソロの作品まで幅広く手掛けている野崎良太を中心とした不特定メンバーによる自由なプロジェクト、 JAZZTRONIK 。2003年にインディ-・レーベルのフラワー・レコーズからリリースした2ndアルバム。この後、活躍の場をメジャー・レーベルに移して幅を広げることになるが、この 「SET FREE」は、そうした動き直前の、いい意味でのアンダーグランド感のようなものが感じられる1枚となっている。シカゴ・ハウスにも通じるようなエレクトリックなグルーブ感をジャズ/ラテン・フレーバーと絶妙なバランスで融合させながら、自身の奏でるピアノなどの生楽器やボーカルを違和感溶け込ませる優れた手腕は既に確立されている。また、アルバム全体としての構成もよく練られていて、特にアルバム終盤の展開は見事。聴く者を心地よく別次元に誘うような高揚感をもたらしてくれる。