Rufusized

Rufusized

前作アルバム『Rags to Rufus』に収録された「You Got the Love」やスティーヴィー・ワンダーが提供した「Tell Me Something Good」から、チャカ・カーンの歌声には遊び心と官能性を同時に伝える類いまれなセンスがあることを証明していたが、その圧倒的な実力をさらに発揮し、ジャジーであると同時にコクとパンチのある歌声の魅力を世に知らしめたのは、やはり1974年のサードアルバム『Rufusized』だろう。大ヒットとはならなかったものの、本作は希代のボーカリスト、チャカ・カーンをフィーチャーするルーファスが、ジャズからR&B、ロックやファンクまで楽々とカバーできるマルチタレントなバンドであることも伝えている。イントロの数秒だけで心が躍るような最高の1曲目「Once You Get Started」から、ボビー・ウーマックのセクシーなカバーである「Stop On By」でのクロージングまで、本作はどこを切っても、そこから偉大なソウルミュージックの熱気が立ち上ってくる。