Open α Door

Open α Door

「新しい扉を開いてみる、今がそのタイミングではないかと思いました」。Aimerは7作目のオリジナルアルバム『Open α Door』について、Apple Musicに語る。2022年にデビュー10周年を迎えたAimer。本作を制作するにあたって改めて10年を振り返った時、一つの思いが芽生えたという。「この10年、アーティストとして得たものの中で一番大きいと思ったのが“居場所”でした。私が生み出した音楽を受け取って聴いてくださる人たちがいるという“居場所”を作れた。そしてこの先の10年を考えたときに、私はまだ見ぬ扉を一つ一つ開いて、その先の景色を今一緒にいてくださるみんなと一緒に見てみたいと思いました」 タイトルに入れた“α”の文字には、“ものごとの始まり”という意味がある。ここには二つの意味を込めたとAimerは言う。「一つは私にとってまた新たな始まりの扉を開けるという意味。そしてもう一つ、“α”は今の時代を象徴しているような気がするんです。世の中の流れを見ていると、世界的な事件が次々と起こったり、新しいAIが生まれたりして、これから前例のない時代が来るんだろうなと感じる。もしかしたら音楽の意味が再定義されるようなことも起こるかもしれない。そういう時代の中で作ったアルバムなので、あえて“α”という文字を入れました」 12曲を収録した本作には、ヒット曲「残響讃歌」をはじめとする数多くのアニメのオープニングテーマや主題歌が含まれる。そうしたアプローチもあり、Aimerは自身の音楽を聴く人との「距離が縮まってきた」ことを実感する中、より一体感のある曲を作りたいという意欲が湧いてきたと言う。大きく変わりゆく時代の中で、新しい扉を開けていくAimer。ここからはアルバムに収録されたいくつかの曲を彼女に解説してもらおう。 残響散歌 まさにこのアルバムで最初に開いた新しい扉です。“轟(とどろ)け”と歌っているのですが、本当にたくさんの人たちに届き、広いところで轟いてくれたという手応えをすごく感じています。その経験があったからこそ、今は、これまで触れてこなかった新しい扉を開いてみるタイミングではないかなと思えました。この曲からアルバムのインスピレーションが涌きました。 Resonantia タイトルはラテン語で“共鳴”という意味です。「残響散歌」に想定以上の反響をいただいて、ジャズっぽいロック調の曲にもこんなに反応してくださる方がいるんだなというところから、「残響散歌」の対になるような曲があると面白いんじゃないかと考え、2曲続けて同じようなグルーヴの曲を作ってみました。 Deep down/escalate この2曲のように緊張感のあるロック調の楽曲は初期にはなかったものです。この10年の間にそれぞれの場面で私と出会ってくださったクリエイターの方が新しい方向へ導いてくださって、そのたびに自分をアップデートしていった感じがあります。だからこそ今回のアルバムは、自発的に新たな扉を開いてみようと思いました。 I know U know/spiral dance この2曲はライブでみなさんと盛り上がることを思い浮かべながら作りました。思い返すと10年前の私は歌う時に座っていたんですよね。立ってみんなをあおるなんて、まずなかった(笑)。ライブでみんな一緒にクラップしたり、歌ってくれるといいなと思います。 あてもなく 生きているとうれしいことばかりじゃないですよね。だからこそ“笑っていて”という言葉を、自分で自分に言ってあげることが今すごく必要じゃないかと思うんです。自分が元気がない時、少しうつむいてしまいそうなとき、心の中で自分に唱えてあげるような言葉を歌詞に書き起こしてみました。 SKYLIGHT “SKYLIGHT”は、天井に明り取りのようなかたちで付けるガラス窓のことです。たくさんの新しいドアを開けた最後に開く扉は、ガラス張りで光が差し込んでいるといいなというイメージがありました。夜になりたての時、まだ少し光が残り、星が瞬いている青い空を思い浮かべながら、その扉を開く胸の高鳴りを切り取った曲です。このアルバムには新しいドアを開くという意味で、うつむきがちな曲よりも、少し見上げているような曲の方が多く入っているかもしれないです。

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