Mozart: The Sonata Project - Salzburg

Mozart: The Sonata Project - Salzburg

「私をしのんでモーツァルトを弾いて」。これは、ショパンが死に際して語ったとされる言葉だ。2000年のショパン国際ピアノコンクールで第1位となったユンディ・リは、これまでにショパンの作品を多くレコーディングしており、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団を弾き振りした2019年のアルバム『Chopin: Piano Concertos Nos 1 & 2』でも繊細で美しい音世界を描き出し、高い評価を受けた。そんな彼が本作で取り上げたのは、上述の言葉が象徴する通りショパンが深く愛したモーツァルトのソナタだ。アルバムの冒頭を飾るのは『ピアノ・ソナタ第11番』。この中国出身の俊英による驚くほど粒立ちのいい明瞭な音色と、楽曲の本質に迫りながらリスナーに優しく語りかけるような表現は、変奏曲形式の第1楽章のあまりにも有名な主題に潜んでいた知られざる物語を引き出すかのよう。また、『ピアノ・ソナタ第8番』の第2楽章や「幻想曲 ハ短調」、『ピアノ・ソナタ第14番』の第3楽章をはじめ、本作におけるユンディ・リの魅惑的なパフォーマンスは、“かつてショパンは愛するモーツァルトのピアノ曲をこのように奏でたかもしれない”という想像をかき立てる。

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