

現代のクラシック音楽界でとりわけ旺盛な音楽的探究心を持つ2人の演奏家が、フランスバロックの偉大な作曲家の楽曲を奏でるためにタッグを組み、絶妙な化学反応を起こす。彼らは、現代のヤマハでクラヴサンのフレーズを華やかに紡ぎ出し、ヴィオラ・ダ・ガンバを実に自然にチェロに置き換えて鮮やかな色彩を生み出すことで、マラン・マレーの音楽の魅力を今に伝えてくれるのだ。マレーの人気曲「Couplets de Folies」の演奏は、ジャン=ギアン・ケラスが即興的な味わいで旋律を奏でれば、アレクサンドル・タローが独創的でウィットに富んだ鍵盤さばきで応えるという、彼らのアプローチの素晴らしさを象徴している。プログラムも巧みで、アルバムのスタートからフィニッシュまで、リスナーの心をつかんで放さない魅惑的な音楽の旅が続いていく。