香港出身のアーティスト、Jackson Wangのアルバム『MAGICMAN 2』に収録された11曲は、もともと彼の日記として始まった。「10年間、毎日びっしり詰まったスケジュールをこなしてきて、少し休む必要があると思った」と、WangはK-PopグループGOT7での活動を振り返りながらApple Musicに語る。2025年にリリースされた本作の制作前、彼は家族と過ごし、自分自身と向き合う時間を取った。「1年近く休んで、呼吸を整え、すべての意味を考える時間を持ったんだ」 本作は、Wangが2022年に発表したソロアルバム『MAGIC MAN』の続編となる。『MAGIC MAN』は、燃え尽き症候群の体験を基に生々しくドラマチックなオルタナティブロックを放つ作品だった。対照的に、『MAGICMAN 2』は違う形の告白となっていて、テーマの幅を広げ、ポップスターとしてのペルソナの裏に隠された本当のJackson Wangを描いている。「人々は“Jackson Wang”を見ているけど、僕自身はどう感じているのか？ それすら分からなかった」と彼は語る。「このアルバムは、現実、社会、業界の中で僕が感じたすべてを表している」 本作は「躁的な高揚」「制御不能」「気づき」「受容」という四つの章に分かれ、リスナーを感情の旅へと誘う。内容は非常に個人的で、曖昧な普遍性よりも、自らの体験に基づくもろく繊細な感受性を重視している。幕開けを飾るドラマチックなシンセポップ「High Alone」では、元恋人への切実な思いを歌い、「BUCK」では、インドのスーパースターDiljit Dosanjhをフィーチャーし、ダンスフロアの無限のグルーヴを祝福する。 アルバムの最後を飾るのはアコースティックポップの「Made Me a Man」。彼はこの曲について、商業的な成功を意図したものではなく、ありのままの気持ちを表現したもので、最もお気に入りの楽曲だと明かす。「自分を表現するアルバムが、人生に必要だと感じていた。『聴きやすい曲になるかな？』なんて考えず、ただ自分自身を表すものを求めたんだ」