電気グルーヴのトラック・メイカーによる6年ぶりのソロアルバム。フロア仕様のシンプルなストラクチャーをしたトラックが10曲収録されている。昨今人気のあるEDMのような派手さは全くないが、パズルのように組み合わさって、印象的なフレーズやグルーブを紡いでいるサウンドを一つ一つ追いかけると、常に何かしらの変化がおこっているように、丁寧かつ刺激的に作られていることに気づく。丸い高域、豊かな中域、輪郭のはっきりとした低域は耳に心地よく、繰り返し聴いていても疲れない。石野卓球といえば「ベルリン」をイメージする人も多いだろう。Basic Channel の流れをくむダビーな音響や、靄のかかったようなシンセサウンド、エレクトロトラックなど、そのエッセンスはこの作品でも見え隠れしている。上質なファブリックと無駄のないカッティングで作られたハイブランドの衣服のような仕上がり。大人にもおすすめできる、クオリティを併せ持ったおシャレなエレクトロニック/ダンス アルバム。
- 1999年
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