自身の主宰する Innocent Record の作品を中心に、コンポーザー / キーボード・プレイヤー / プロデューサーとして幅広く活躍するアーティストの Ino Hidefumi が2009年にリリースしたサード・アルバム。ムーグやエレクトリック・ドラムなど、さまざまな電子音やエフェクトの組合せでありながら、オーガニックな肌触りのあるミニマルなサウンドは、とても実験的でありながら、どこかユーモラスで、同時にリスナーに懐かしい風景を想起させ、幸福感をもたらす不思議な音響空間を作り出している。ある意味ではテクノであり、実験音楽であり、イージー・リスニングであり、アンビエントであり、環境音楽であり、時代のサウンドトラックのような不思議なサウンドスケープを作り上げている。そんなアーティスティックなサウンドを、決して難解で過度に高尚なものにすることなく、むしろ、ある種のノスタルジアすら感じさせる “既聴感” でリスナーのエモーションに優しく訴えかけながら、他のだれの作品にも似ていないオリジナリティあふれる作品に仕上げるセンスは Ino Hidefumi というアーティストならではのものだ。
- 2006年
- 2018年
- 2008年
- 2010年
他のおすすめ
- i am robot and proud
- HIROSHI II HIROSHI