Il Tenore

フレディ・デ・トマーゾの本作『Il Tenore』は、2021年の鮮烈なデビュー作『Passione』に続く作品。デ・トマーゾはここで、『カルメン』のドン・ホセ、『Madam Butterfly(蝶々夫人)』のピンカートン、『トスカ』のカヴァラドッシ、そしてデ・トマーゾがまだ舞台で演じていない唯一の役、『トゥーランドット』のカラフといったテノールのレパートリーとして名高い4つのオペラの重要な役柄を演じている。彼のイタリア風の翳(かげ)りのある声音は申し分なく、アリアや二重唱を聴くというよりもむしろその場面を目の前に再現するかのような力がある。トスカ役のLise Davidsenとの共演で輝きはいっそう増し、Natalya Romaniwの蝶々夫人では熱烈で感動的な歌唱力を披露する。Aigul Akhmetshinaによるカルメンでのドン・ホセはエレガントで洗練され、「Nessun dorma(誰も寝てはならぬ)」では、彼のさらなる活躍を暗示するような歌声が印象的だ。

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