Idylle

Idylle

多様なジャンルの楽曲をミックスしたプログラムに挑む歌手は少なからずいるが、このアルバム『Idylle』におけるLea Desandreほどの自信と落ち着きをもってそれを完遂できる者は多くない。フランスの俊英メゾ・ソプラノ歌手であるDesandreは、ソロとしては2作目となる本作を、17世紀の作曲家Honoré d’Ambruysによる歌曲「Le doux silence de nos bois」の官能的な演奏でスタートさせる。この曲で見られる、連続する短くて速い音符を驚くほど流麗に歌いこなす圧倒的な技術は、彼女がバロックのレパートリーを手掛けてきた中で培われたものだ。一方、3曲目で一気に現代に舞い降りるDesandreは、フランスの歌手Françoise Hardyが1962年のデビューアルバムに収録した「Le temps de l'amour」(Jacques Dutronc作)を、実に自然なニュアンスで歌っている。他にもこのアルバムでは、ドビュッシーのオペラからの曲や、1960年代に大きな人気を博したシャンソン歌手でソングライター、バルバラの「Dis, quand reviendras-tu ?(いつ帰ってくるの)」、そして、オッフェンバックの喜歌劇『La Belle Hélène(美しきエレーヌ)』からの「Amours divins!」といった時代もジャンルも異なる楽曲が、仲良く肩を並べているのだ。Thomas Dunfordのテオルボによる伴奏も、Desandreの歌唱を実に繊細にサポートしており、彼女の多彩な表現をシームレスに融合するという重要な役割を果たしている。

リー・デサンドレのその他の作品

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ