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音楽制作からアートまでマルチな才能を誇るWurtSが、その作家性を大いに発揮したセカンドアルバム。劇的な出会いを歌う「STARDUST」で始まり、心をかき乱す恋や、その目に映る希望、不意に訪れる感情の混乱などを描く。オルタナティブロックとダンスミュージックを融合した音楽性はさらに進化を遂げ、ダイナミックなうねりを生み出す。中でも、東京スカパラダイスオーケストラのホーンセクションを迎えてファンク色を打ち出した「ソウルズ (feat. suis from ヨルシカ)」や、ディスコクラシックを現代によみがえらせるかのような「ライフスタイル」は新たなスタイルを印象づける。騒がしい日々を映し出す歌は、WurtSが自身のことを語るノンフィクションのようであり、WurtSという作家がつづるメタフィクションのようでもある。その境界線は、MOP of HEADのGeorgeがWurtSの要素をコラージュしたラストナンバー「元気でいてね。」でますます曖昧になる。この現実と虚構の境を行くような筆致がきわめて現代的で、刺激的な魅力を放っている。