

1995年にリリースされたブライアン・イーノ主導のWar Child Recordsのチャリティコンピレーション『Help』は、当時ボスニア・ヘルツェゴビナで起きていた混乱に対するタイムリーな応答として、録音から発表まで一週間足らずで実現した。それはまた、ブリットポップ、トリップホップ、エレクトロニカが国際的に盛り上がっていた、UKミュージックの魔法のような瞬間を捉えた時代を超えるドキュメントでもあり、オアシスとブラーが平和的に共存する唯一の場所としても知られている。それから30年以上を経て届いた『HELP(2)』では、ガザ、スーダン、イエメン、ウクライナの人道支援を目的として、プロデューサーのJames Fordが新たなオールスターキャストをAbbey Road Studiosに集結させた。Wet Leg、ビーバドゥービー、ザ・ラスト・ディナー・パーティーといった時代を象徴するUKアーティストや、Cameron Winter、Fontaines D.C.といったUK以外のアーティスト、さらにArctic Monkeys、パルプ、デペッシュ・モードのようなベテラン勢が名を連ねている。 パルプには社会風刺を期待してしまうが、「Begging for Change」で響くサウンドはこれまでになくパンクでスパンキーだ。そして『HELP(2)』の神髄は、地理、ジャンル、世代を超えることにある。パキスタン出身のシンガー、アルージ・アフタブが「Lilac Wine」でベックをキャンドルライトの聖餐式に招いたり、オリヴィア・ロドリゴがブラーのグレアム・コクソンをバックに、マグネティック・フィールズの「The Book of Love」をストリングスに彩られた感動的なアレンジで歌い上げたりするような光景は、ここでしか出会えない。