STAR BLOWS

STAR BLOWS

非常に堂々とした重量感を放つ、地に足のついた作品である。当初はエイトビートを主体にしながらパンクからハードロック、果てはプログレと振り幅のあるロックを標榜している感のあった the Birthday だが、結成から5年が経過、フル・アルバムも4作目ともなると、もはや迷いはなくなったということなのだろうか。過去の作品と比較してみても、最もどっしりとしたインパクトのある、問答無用のロック作なのだ。際立つのは、ドアーズ、あるいはヴェルヴェット・アンダーグラウンドといったアメリカのサイケデリック・カルチャーを通過したバンドへの傾倒ぶり。その緊張感の高いサウンド感覚が秀逸で、とくに長尺曲 “SUPER SUNISHINE” が導く恍惚とした世界は、さまざまな経験を積んできた者だからこそ奏でられるものだろう。また、1曲目の “FREE STONE” や “愛でぬりつぶせ” をはじめ、チバのペンによる歌詞の多くがポジティヴな力強さを表現することに向かっているのも本作の特徴である。そしてこれだけの作品を完成させることができたのは、ライヴ・ツアーで鍛えられたメンバー同士の演奏力とコンビネーションの向上が大きいはずだ。ビート感も強烈な、彼らの面目躍如たる1枚。

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ