グラミー賞で最優秀オルタナティブミュージックアルバムを受賞、初のビルボードトップ10入りを果たした彼らの代表作。大半のナンバーは8トラックのオープンリールで録音され、スタジオには1960年代以前の機材をそろえるなど、ジャック・ホワイトの徹底的なアンチテクノロジーの美学で貫かれたアルバムであり、それはよりピュアなロックンロールを抽出する試みでもあった。ただし、アナログでローファイな味わいを残しながらも、鍛え上げられた2人のアンサンブルは圧倒的にモダンで、奥行きを感じさせる。「Seven Nation Army」を筆頭に、ポップソングと呼んでも過言ではない楽曲の数々も、前作とは比べものにならない完成度だ。一度耳にしたら忘れられないユニークなギターリフ、ベースレスとは思えないほど強靭(きょうじん)なグルーヴ、そしてブルースやカントリーの悠久の歴史を紡いだ豊かなテクスチャー。そのどれもがザ・ホワイト・ストライプスのオリジナリティに満ちている。彼らは本作によってリバイバルの時代を終え、名実ともに時代をけん引するトップバンドになった。
その他のバージョン
- 2007年
他のおすすめ
- ビースティ・ボーイズ
- Violent Femmes
- Nick Cave & The Bad Seeds