鋭い視点とユニークな言語センス、卓越したラップスキルを駆使しながら、英語と日本語が混在するリリックをテクニカルかつスムーズなフロウで聴かせるMIYACHIのセカンドアルバム。タイトルトラックの「CROWS」では、カラスのたくましさや強（したた）かさをモチーフにしつつ、UKドリルの攻撃的なビートの上で熱い思いをタイトに聴かせる。また、サラリーマンの悲哀を描いて話題になった2020年の「MAINICHI」のアンサーソングであり、ANARCHYと共演した「MAINICHI II」、メロウなトラックの上でDaichi Yamamotoと心地よく絡む「CHILLIN」など、全編聴きどころに事欠かない充実した仕上がり。ワーナーミュージックが新たに立ち上げたAsiatic Recordsを拠点に、アジア、さらにはグローバルなシーンでの活動を視野に入れて制作された点も含めて、MIYACHIならではの刺激的なラップの魅力とアーティストとしての表現力が大きくスケールアップしていることを強く感じさせる意欲作だ。