

ベテランR&Bシンガーのシアラは、2019年にインディペンデントアーティストとして初のアルバム『Beauty Marks』を発表して以降、目立った音楽活動はしてこなかった。その間、クランク&Bのアイコンである彼女は2人の子どもを授かり、8作目のアルバムの構想をゆっくりと練り上げていた。彼女によれば、2004年のデビューアルバム『Goodies』からこれまでの21年間の旅を祝福する作品だという。『CiCi』と題された本作は、シアラが2023年にリリースした同名EPの拡大版。クリス・ブラウンとの爽やかなコラボレーション「How We Roll」や、ニューオーリンズが誇るバウンスのレジェンド、Big Freediaとの意気揚々とした「Winning」などが収録されている。EVELYN CHAMPAGNE KINGの楽曲がサンプリングされた「Drop Your Love」や、Lattoによるバースに加え21年前のシアラの最初のヒット曲「1, 2 Step」をプロデュースしたジャジー・フェイによるビートとおなじみのアドリブがフィーチャーされた「This Right Here」など、洗練された大人の魅力と内省的なムードを漂わせながらも、今なお燃えるような情熱が息づいている。