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2014年にリリースされた5作目のオリジナルアルバム。前作『CIDER ROAD』がストリングスやホーンサウンドを織り込んだリッチな音像のアルバムだったのに対して、本作は核となる3ピースバンドの演奏を前面に押し出し、ストイックに磨き抜かれた作風へと方向転換した。とはいえ、その印象はぶっきらぼうでも殺風景でもなく、スリリングに跳ね回るフレーズの交錯や、にぎにぎしいコーラスワークによって、華やかさを演出している。アニメ作品のテーマ曲となったシングル曲の「桜のあと (all quartets lead to the?)」や「harmonized finale」をはじめ、燃え盛るようなアグレッシブな姿勢を伝える「蒙昧termination」や「天国と地獄」、そしてエバーグリーンな美曲「君が大人になってしまう前に」など、まるで一つのライブのセットリストのように楽曲群が並ぶ構成に、3人のクリエイティブな化学反応が刻みつけられている。