Britten: Spring Symphony, Sinfonia da Requiem, The Young Person's Guide to the Orchestra

Britten: Spring Symphony, Sinfonia da Requiem, The Young Person's Guide to the Orchestra

1949年に初演されたブリテンによる独唱と合唱を含むシンフォニー『春の交響曲』は、現在の私たちの耳にも驚くほどモダンかつ新鮮に響く。そして、このサイモン・ラトル率いるロンドン交響楽団(以下LSO)のライブ録音は、この作品が多くの点で時代を先取りしたものであったことを証明している。 長大な「Introduction(序奏)」では、LSOが、荒涼とした、どこか粗野でありながら意味深長でもあり、感傷を排除したような冬の情景を見事に描き出し、ロンドン交響合唱団が熱烈にそれに応えている。その後、春が訪れるとブリテンは明るさを取り戻し、名テノール歌手のアラン・クレイトンに導かれた独唱者たちが鳥の鳴き声を模倣する。ここでの歌手たちのパフォーマンスも見事であり、リスナーを魅了するものとなっている。またブリテンは随所に子どもたちの合唱も取り入れている。本作で熱唱を聴かせてくれるのは、ティフィン少年合唱団、ティフィン女学生合唱団、ティフィン児童合唱団であり、彼らはカーニバルのような「Finale」の最後に、古くから伝わる歌「Sumer Is Icumen In(夏は来たりぬ)」を歌っている。 『春の交響曲』の前後には、アルバムの幕を開ける1940年作の『シンフォニア・ダ・レクイエム』と、ラストを飾る1945年作の『青少年のための管弦楽入門』が置かれている。つまり『春の交響曲』は、このイマジネーション豊かなプログラムの真ん中で、最も深い絶望から大いなる歓喜への道のりを描いているのだ。 『シンフォニア・ダ・レクイエム』でのラトルは、流ちょうかつ明確な解釈でオーケストラを導きながら、第2楽章の「Dies irae」では激しい怒りを表現する。そして、終楽章の「Requiem aeternam」では、マーラーを思わせる弦楽のスコアをクリアに描き出し、真に感動的な瞬間を作り出している。 『春の交響曲』の喜びに満ちたフィナーレに続いては、『青少年のための管弦楽入門』の巧みで生き生きとしたパフォーマンスがスタートする。高揚感あふれる最後の「Fugue」では、この作品全体のベースとなっているパーセルの主題をLSOのブラスセクションが華麗な音色で奏で、楽曲は最高潮に達する。

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