2021年にリリースされた『Break and Cross the Walls Ⅰ』に続くフルアルバム。今作はポップな色使いも印象的なジャケットが表すように、音楽面でもバラエティに富んだ仕上がりとなっている。もちろん彼らのキャッチーなメロディと耳に残るリフレインやフレーズは、EDMの要素を盛り込みながらこのバンドが持つミクスチャー感覚を融合させた「More Than Words」や「All You Need」などで発揮されており、一方でパンク的な要素やヘヴィネスも健在。MAN WITH A MISSIONを追いかけてきたファンにとっても存分に楽しめる作品となっている。また激しさのみならず、アルバムの中盤からは深い聴き応えのあるナンバーが並び、中でも赤裸々につづられたラブバラード「Rain」には静かなインパクトがある。最後を締めくくるのは、NHKの『みんなのうた』にも起用された「小さきものたち」のアコースティックバージョンで、世界平和を願う一個人の繊細な心の内が歌われている。かねてからこのバンドの楽曲はエモーショナルな味わいが魅力だったが、その世界はここでさらに広がり、愛情や優しさまでもストレートに表現している。楽曲を通じて、彼ら“5匹”の素顔までも見えてしまいそうなアルバムだ。