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前作「Around the House」では家庭内の生活音をサンプリングソースに選んだHerbertだが、本作はそのタイトルから推測されるように人間の身体が立てるさまざまな音を再構成している。"Leave Me Now"のようなクリックハウスや"I Know"に引用したジャズアンサンブルなど、収録楽曲のスタイルは幅広い中、本作もDani Sicilianoをヴォーカリストとして起用し、抑制された歌唱の美を感じさせてくれる。Herbertの音楽がコンセプトありきにならないのは、その基調に人間味があるからこそなのだろう。その真摯なヒューマニストとしての姿勢は後によりポリティカルな作品群へと結実していくが、本作にも一貫した眼差しを感じることができる。