1950年代アメリカでトップソングライターの地位を確立した後、甘いルックスと軽妙なバブルガムポップでティーンアイドル化したボビー・ダーリンが、シナトラ風のスタイリッシュなスタンダードシンガーへと転身を図ったのが本作「That's All」。クルト・ワイルが舞台『三文オペラ』のために作曲した同名曲をポップスタンダードへと昇華した"Mack the Knife"をはじめ、シャルル・トレネの"La Mer"の小粋なメロディに都会的な英詞を乗せて時代を彩った"Beyond the Sea"などを収録し、大ヒットを記録した。また、作曲家としての才気がほとばしるオリジナル楽曲"That's the Way Love Is"や、エンターテイナーとしての振り幅を感じさせるラテン調の"That's All"など、微に入り細をうがった仕上げで完成したスタンダードの名作。