Beethoven, Schumann, Franck

Beethoven, Schumann, Franck

ルノー・カピュソンのきわめてフランス的な落ち着きとエレガンスは、マルタ・アルゲリッチのラテン的な奔放さとは一見、正反対のように思える。しかしこのアルバムでのライブ演奏を聴けば、2人が一緒になると音楽的な火花が大きく飛び散るのが分かる。シューマン後期の『バイオリン・ソナタ第1番イ短調』は、興奮と情熱に満ちており、シューマンの創作力が急速に衰えたとの指摘に終止符を打たせた作品。ベートーヴェンの『バイオリン・ソナタ第9番“クロイツェル”』でも、アルゲリッチとカピュソンはそれぞれ優れた技巧を披露し、ピアノが単に伴奏でないことを聴き手に知らしめる。極め付きはフランクの『バイオリン・ソナタイ短調』で、2人の偉大な演奏家が、音楽の波立つ感情を見事にとらえ、カリスマ性をたたえた堂々たる表現を繰り広げる。

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